2011年10月20日 « トップへ

2012年2月10日

アンチエイジング医学の実践

いつまでも笑顔に満ちた、質の高い健康での長寿を実現するために、当院では「アンチエイジング医療」というキーワードのもと、世界水準の高度な歯科治療を行っております。

アンチエイジング医学の実践

私達の目指す医療は、患者さんご自身が、
(1)思い通り、やりたいことがいつでもすくすくと行える
(2)らくらく呼吸をし、食べたいものが美味しく食べられ、笑顔に満ちた暮らしができる
(3)他の人から快く受け入れられ、自分が必要とされながら、充実した環境で生きられる
(4)年齢を重ねても、老いを特別に意識することなく、日々快適に生活することができるようになって頂くことです。

そのためには、アンチエイジングレベルの『予防医学の実践』が必須となると考えております。

「アンチエイジング医学」とは、「加齢という生物学的プロセスに介入を行い、加齢に伴う動脈硬化や、癌そして歯周病のような加齢関連疾患の発症確率を下げ、『健康長寿を目指す医学』である」と定義されています。

このように、21世紀の現在は、従来の疾病治療型の医療から"加齢"に焦点を当てた『予防医学』を行い、「元気で長寿を享受することを目指す理論的・実践的な科学的アプローチ」が顎口腔科、歯科にも重要だと考えております。

「アンチエイジング」のために必要な歯科医療とは?
老化には原因があります。現在原因として分かっていることは、遺伝子のテロメア説と体内における酸化、ストレス説です。当院では、特に体をさびさせないために、酸化ストレスを極力少なくする治療選択を行なっています。

治癒には、自律神経のうち「副交感神経」が大きく関わっています
ご存知の方も多いと思いますが、神経には運動神経、感覚神経、自律神経があます。自律神経系は、活動時に優位に働く「交感神経」と、身体がリラックスしている時に優位になり、細胞や組織を新たに作ったり再構築する時に働く「副交感神経」の2種類で構成されています。これらはお互いに拮抗的に働き、自然にバランスを保っています。

交感神経系が興奮すると、心臓の拍動の促進、血圧上昇、瞳孔拡大といった活発に活動するための生理現象が起こります。一方、副交感神経系が興奮すると、心臓の拍動の抑制、血圧下降、瞳孔縮小、といった交感神経の緊張状態とはまったく正反対のことが起こります。

そして、発症を抑止し、健康な状態を維持するためには、副交感神経優位な状態を保つ必要があるのです。

副交感神経優位をつくるためには、上手にリラックスことができないといけません
お顔では、この副交感神経は「迷走神経、動眼、顔面、舌咽神経」にあります。中でも副交感神経の親玉とも言える「全ての臓器」に分布している神経が、迷走神経です。そして、実は顎口腔科・歯科医療という分野だけが迷走神経に間接的に働きかけることができるのです。

お顔は、お母さんのお腹の中(個体発生的)に将来中枢といわれる「脳」や「脊髄」になる神経提細胞の最下部から先ず鰓が生まれます。そこから頭の下半分ができてだんだんと人らしいお顔になってきたという経緯があります。そして、この鰓弓(さいきゅう)より脳神経系12対のうちV=三叉神経、VII=顔面神経、IX=舌咽神経、X=迷走神経、XI=副神経が生まれ、お顔を支配します。

下顎面の『顎口腔系』を正常にする歯科医療では、直接V三叉神経、VII顔面神経、IX舌咽神経に働きかけ、これらを正常化することが必要です。これからが正常化されると同じ鰓弓グループのX迷走神経とXI副神経(俗称:肩こり神経)が正常化されてきます。こうしてXI副神経の正常化で肩こりがコントロールされ良くなると同時に間にはさまれた副交感神経の親分といわれているX迷走神経が正常化するというメカニズムで、唯一副交感神経系へのアプローチができ、正常化を導きだせるのです。

そうした意味で、本質的な歯科医療というものは、お顔の下半分(頭頚部下顎分)を正常化する過程なのです。これらは、脳(中枢)に伺う求心性神経(情報)を適切にコントロールすることから正常化は行われます。

下顔面の正常化を図る医療では、歯を抜く・削ることよりもまず、「アンチエイジング=寝たりきりや認知症にならずにQOL(生活の質)が高い状態=いつも笑顔で人生を送ること」を実現する医療情報や医療を提供することが先立つと考えております。

現在はトータル医療の時代。口の中をみるだけでなく、生涯健康を維持するために、総合的な医療を提供することが必要であり、当院ではそれを実践しています。

齢(よわい)とは、お顔を見て年齢を類推する言葉です
また、歯がすり減ったり、なくなったりすると顎間距離(咬み合わせの高さ)が短く(低く)なり、お顔の下半分が短くなり健康感が失われます。顎間距離が短くなると鼻唇溝(法令線)が深く、強くなり、弱々しく見えてきてさらに「ふけ顔」になります。そして、食べ物の選択幅が少なくなり、栄養の偏りが起こり、より老化が進むという悪循環が生まれます。

そして、最近では歯や口の健康と認知症の関わりのメカニズムも「ファンクショナルMRI」(傷つけずに脳の発火場所知る方法)の研究から解ってきています。

このように、歯や口の健康は直接アンチエイジングにつながってくるのです。
 

脳をあざむく精密な歯科医療

脳をあざむく精密な歯科医療脳は2つの大きなバイアスを持っています。それは、1つは"快(かい)"を選択すること、もう1つは"新しいことに反応する"ことです。そのために必要なのが、まず"脳が正常と感じてくれるほど快適な"歯科医療です。そのためには、「脳が歯科治療を行ったと感じられないほどの精密な治療の実施」です。

生体を模した学問をバイオミメティクスといいます。先天的に形がおかしくない限り、正確にもとの自然な歯の形ととても良く似た材質での修復が必須です。


※バイオミメティックアプローチ(生体模倣学的アプローチ=健全な軟組織・硬組織を忠実に模倣すること)による治療例

例えば、私達の治療のポリシーのひとつにMI(ミニマムインターベンション)という考え方があります。これは最小限の医療介入のことで、歯科的には、「できるだけ削らない、切らない」という意味です。例えば、感染した虫歯の部分のみを削り、その形で再感染させないために、接着でシールできる材料で修復治療します。そうすれば歯の健康な部分を削ることなく保存できます。

こうしたことで、脳や神経に負担を与えず(=治療を行ったということを感じさせず)、余分に交感神経を興奮させないため、副交感神経優位な状態を作り出せるのです。

また、金属治療のように、金属を歯に残しておくために健康な歯の部分を削ることもなく、歯に負担を与えないので歯を長期に残せて、年をとっても自分の歯で咬める可能性を上げることにもつながります。

【あまり歯を削りたくない】という方へ
 

デンタルドック/総合的な医療のために

デンタルドックまた根拠に基づいた総合的な医療を提供するために、当院では「オーラルヘルスケアドッグ(デンタルドック)」を積極的に取り入れています。人間ドックはよく知られるようになりましたが、当院ではデンタルドックで患者さんひとり、ひとりのお口の状態を多角的に検査し、問題点を抽出して診断を行い、データ化します。

歯科治療や検査データの履歴、食生活や健康に対する意識から生活リズムに至るまでを分析して、その方に合った予防・歯科治療やメンテナンスの提案をするほか、「なぜ虫歯になったのか」「なぜ歯周病になったのか」などその原因についても考え、お口の健康のために改善すべきことがあれば生活習慣改善のアドバイスをも行います。

デンタルドックについて
 

インターディシプリナリーアプローチ/最高のチーム医療

インターディスプリナリーアプローチ「矯正なら矯正の専門医、根管処置はこの先生に」専門的なものは専門的な先生に任せる、これがインターディシプリナリーアプローチです。さらに口腔外科、整形外科、内科、精神科との連携も重要です。

当院では根管治療の専門家、顎治療の専門家、歯並びの専門家、形成外科、その他の専門医と連携し手分けして必要な時期に必要な治療を行います。連携治療を進める必要がある場合は「最高のチーム」を結成して治療にあたります。特に2Fの栗原クリニック東京日本橋の栗原先生とは、いつでもチームを組んで多くの患者さんに最良の医療を提供しています。


インターディシプリナリーアプローチとは?
患者さんのために、各分野のエキスパートが集まり、それぞれが協力しながら高い治療ゴールを目指そうとする考え方。

 

金属ではなく、セラミックを使った治療

金属ではなく、セラミックを使った治療最近の研究で、歯科金属の酸化物が原因で、交感神経興奮が起きて自律神経のバランスが崩れ、頭痛・肩こり・腰痛・アレルギーなど様々な不具合が起こることが分かって来ました。また、歯科金属による金属アレルギーの問題もクローズアップされています。そのため、当院ではできる限り金属ではなく、セラミックやコンポジットレジンを用いた治療を行っています。

このように顎口腔系は、エネルギー取り入れの最上流として、呼吸と食を中心に、身体機能の維持やQOLに深く関わっている器官です。そのためにも、常に世界水準のアンチエイジング科学に基づいた予防と超精密歯科医療を提供しながら、広く医学的見地から健康を考え、健康長寿実現のために他科との医療連携を積極的に取り入れることで、皆様に健康長寿を提供できるかと考えております。


2011年10月20日 « トップへ