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よく咬むことが肥満対策に

よく咬むことが肥満対策にあなたは食事にどれくらいの時間をかけていますか?しっかり食べ物を咬んでから飲み込むようにしていますか?

戦前の食事は麦などの雑穀やいも類、根菜類、高野豆腐、煮干などが食卓に上っていました。当時は食べ終わるまでに約1420回咬んでいましたが、現代は約620回ですから半分以上、咀嚼回数が減ったことになります。

その原因のひとつが欧米式の食事の普及で、ハンバーガーやスパゲティなどやわらかい食品を摂るようになったことが考えられます。

よく咬んで食べることで胃腸での消化・吸収がスムーズになります。それ以外にも脳の満腹中枢を刺激して食欲を抑えて食事療法や肥満対策に役立つことがわかっています。

時間をかけてよく咬むことで脳の働きが活発になり、神経ヒスタミンの量が増加します。神経ヒスタミンは満腹中枢や交感神経を刺激して、食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌を活発にすると考えられています。

肥満や2型糖尿病(食べ過ぎ、運動不足、肥満、体質といった生活習慣が原因となる糖尿病)対策に有効なのが食事のときにひと口20~30回咬む『噛ミング30(カミングサンマル)』です。

よく咬んで、美味しく味わって食べることで生涯を通じて肥満対策ばかりでなく満足感やくつろぎを得ることができます。

ご飯を主食とする日本食は、咀嚼回数を増やす最適な食事です。きらいでなければ玄米のご飯を中心に主食、副食を並べた一汁三菜が基本で、口の中でご飯とおかずが一緒になることで咀嚼回数が増えます。

また、日本食は肉や油脂をあまり使用せず、野菜や茸類、海藻類を多く使うため、低カロリーで食物繊維が豊富に含まれているので咬む回数が自然に増えていきます。

肥満や糖尿病対策のため食事制限をしたり、運動をするという方法を実践している人は多いでしょうが、まずは食事の献立や咬む回数に着目してみましょう。


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